225オプションで億トレーダー(仮)になる目論見書

オプションの投資手法を学んで、億トレーダー(仮)を目指そう!

投資家は四季報のどこを見ている?たかが四季報、されど四季報

株式投資をしているなら、「会社四季報」を一度見たことがない人はいないのではないか。ネット証券では無料でオンライン閲覧できるので冊子を購入する人は減ったが、銘柄選びなどで四季報は相変わらずの人気を誇っている。基礎データは有価証券報告書から抜粋されている。四季報では、50単元未満の株主の持株合計を浮動株と見なして浮動株比率を算出しているので、各証券取引所が発表する数字と異なる点は注意したい。

四季報で最も価値のある情報は、「業績記事・材料記事(本文)」と、公式には発表されていない「来期予想」だろう。各企業には3ヶ月ごとに四季報からアンケート用紙が送られてくる。その回答をベースにして、編集者が本文や業績予想を作成する。ある企業のIR担当者によると、送られてくるアンケートには来期予想を記入する欄があるが、毎回空欄のまま返送するという。おそらく多くの企業でも同様の対応をしているものと思われる。

本文に付けられる2つの見出しこそ、編集者の主観が最も表れている部分だ。過去に、M&Aで巨大な赤字を垂れ流す新興企業に【もはや経営ではない】 という厳しい見出しが付けられて、投資家の間で大きな話題となった。もっとも、あれから12年経過した今でも、社名を変えて上場を維持している。四季報の冊子を購入して、すべての企業の見出しだけを業種順に見ていくだけでも、銘柄スクリーニングの大きなヒントになることは間違いない。

本文には、新規事業の構想や製品の販売状況など、まだ正式には開示されていない情報が含まれていることも少なくない。これらの情報は、IR担当者が四季報の本文に書いて欲しいと思ってアンケートに記載したものだろう。もちろん、ポジティブな情報であっても、編集者が実現性や信憑性を疑う内容だとボツになる。本文の内容は、IR担当者から株主への間接的なメッセージだと捉えれば、四季報はさらに有益なメディアと思えてくる。