225オプションで億トレーダー(仮)になる目論見書

オプションの投資手法を学んで、億トレーダー(仮)を目指そう!

利が乗ってきたプットをどうする?負けのないポジションに変更

連休最終日のトランプ大統領のツイートをきっかけに、ニューヨークダウが大きく調整したため、連休前に購入した5P21875(5月限、プット、権利行使価格21875円)の含み益が育ってきた。最終売買日(5月9日)まであと2日しかない。このままSQに持ち越すのは、日経平均が急反発してプットが0円決済されてしまうリスクもある。そこで損をしないポジションに変更することにした。

■0円決済されると払ったプレミアムが損になる

オプションの買いは、払ったプレミアム以上に損をすることはない。SQに持ち越して権利行使価格に届かなかった場合は、SQ日に0円決済され、払ったプレミアム分の損失が確定する。現在保有している5P21875は、100円(約定価格10万円、手数料別)で購入している。仮にあと数日で日経平均が21000円を割れるような暴落が起きた場合は、100万円ほど儲かる可能性を秘めているものの、日経平均が反発してSQが21875円以上に着地すると、最大で10万円の損失になってしまう。

まとめると、今のポジションは「最大損失10万円、期待できる最大利益およそ100万円」ということになる。これだけを見ると、損小利大の理想的なポジションに思えるかもしれないが、このポジションから100万円の利益が得られるのは、先ほど触れたようにあと数日で日経平均がさらに800円以上急落した場合である。すでに連休前から600円ほど下落しているので、数日でさらに1000円近く下がる可能性はかなり低いのではないか。

■利益を限定する代わりに損失をゼロに

今日の寄付き前に5P21875の板を観察すると、予想通りスカスカ。今日利益確定するのなら、先日の記事で説明した「5月限先物ミニ10枚を買って、5C21875を売る」シンセティック(合成)ポジションを作るしかない。先物ミニの始値21600円と5C21875の始値70円から算出される5P21875の理論値は345円(21875-21600+70=345)なので、最初に払った100円を差し引くと利益は245円(24万5000円)となる。シンセティックポジションを組めば損益は確定するが、SQまでにもう少し下げる可能性も高いように思うので、ここで完全に利益を固定するのは惜しい気もする。

積極的に下げを取りに行きつつ、損する可能性を排除できるポジションとして、「5P21375の売り1枚」を追加することにした。ちょうど5P21375が100円で売れそうだったからである。現在のポジションは以下のような両建てになった。5P21875を買うのに100円支払ったが、今日5P21375を売って100円受け取ったので、これで最悪のケースでも損することはなくなった。

f:id:mathematician:20190508121146j:plain

現在のポジション(5P21875の買い+5P21375の売り)

日経平均が21375円まで下がると、利益は21875-21375=500円(約定ベース50万円)になる。5P21375を売っているので、日経平均が21375円からさらに下がった分については利益が増えない。両建てしたポジションは、「最大損失0円、最大利益50万円」となった。最大利益を限定する代償に、損失が出る可能性をゼロにできた。(厳密には、SQが日経平均21875円以上で着地すると手数料の数千円が持ち出しとなる。)

■リスクのないポジションなので証拠金も不要

225先物の経験がある人は、プットを売るには証拠金を積む必要があるのではないか、と心配するかもしれない。オプションを裸売りする場合は、SPAN証拠金を基準に、各証券会社が独自に決めた掛け目で算出された証拠金が必要になる。私が利用している楽天証券では、今回のように両建てしている場合は、ポジション全体で必要な証拠金を算出する「ネッティング」方式を採用している。両建てにした時点で、このポジションには損失が出るリスクがゼロなので、楽天証券の判定では「必要証拠金はゼロ」となった。

楽天証券SBI証券カブドットコム証券などでは、証拠金シミュレーターを提供しているので、スプレッドや両建てなどのポジションを取るためにどれだけ証拠金が必要なのかを簡単に試算できる。いずれにしても、今回のポジションはSQまでにどんなに相場が変動しても損失が出ないのだから、証拠金が必要ないことは納得できるだろう。