225オプションで億トレーダー(仮)になる目論見書

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勝率50%でも利益が出る?数学者が考案する必勝法のカラクリとは

数学者が考案する必勝法は、勝率50%でも利益が出るとうたったものが多い。これは、主にルーレットなど勝敗を偶然に委ねるギャンブルを想定しているからだろう。ただし、実際のルーレットでは、「0」と「00」があるアメリカンでは還元率が94.7%、「0」しかないヨーロピアンでも97.3%なので、赤か黒かに賭けたとしても実際の勝率は50%でないことには注意が必要だ。ここでは話を単純化するために、還元率100%、勝率50%で考えてみることにする。

勝率50%でも利益が出るカラクリは、負けた直後は賭け金を増やし、勝った直後は賭け金を減らすことにある。最終的に勝率50%に収まるのであれば、結果として賭け金を増やした時に勝って、賭け金を減らした時に負けるケースが多くなる。もっとも極端な例としては、勝ちと負けがきっちり交互に出現して50勝50敗に終わったケースを想像してみるとわかりやすい。この例では、賭け金を増やした時にだけ毎回勝っている。だから勝率50%でも利益になる。

このような賭け方をシステム化したものとしては、モンテカルロ法(※乱数を使って数値計算する「モンテカルロシミュレーション」ではない)やダランベール法(ピラミッド法)などがよく知られている。毎回同じ金額を賭ける方法だと、勝ち数が負け数を上回らないと収支はプラスにならないが、これらの方法だと負け数が勝ち数を上回る、つまり勝率50%未満でもプラスになることがある。勝率が50%を割っても儲かるのなら、まさに必勝法だと感動する人もいるかもしれない。

しかしながら、期待値そのものが変わるわけではない。実際の勝率が理論値より高ければ、同じ金額を賭けた時より利益は少なくなる。賭け金を減らした時に勝つ回数が増えるのだから当然だ。同様に、勝率が低ければ同じ金額を賭けた時よりも損失が大きくなる。勝率が理論値である50%前後に収束した場合のみ、同じ金額を賭けた時よりも有利な結果となる。つまり、これらの方法は「50%でも儲かる」よりも、「50%なら儲かる」と表現する方が適当だろう。