225オプションで億トレーダー(仮)になる目論見書

オプションの投資手法を学んで、億トレーダー(仮)を目指そう!

最も実行しやすいシステムトレード「寄り引けシステム」で感じたこと

リーマンショックで大きな損失を被った私は、システムトレードに活路を見いだそうとあがいていた。システムトレードとして最初に取り組んだのが、いわゆる「寄り引けシステム」だった。毎日寄付きで日経平均先物の成行注文を出し、その日の大引けで反対決済する手法である。当初は、寄り→引けのパターンしかなかったが、ナイトセッションの取引時間が長くなるにつれ、引け→翌日寄りの「オーバーナイト」と呼ばれるシステムも数多く登場している。

2009年当時、寄り引けシステムはすでにメジャーな存在になりつつあったが、それから10年が経過した今でも根強い人気を誇っている。一番の理由は、本業で日中が忙しくても実行できるシンプルさだろう。225先物四本値データさえあれば正確なバックテストができることも利点の一つだ。225先物を対象にしているので、同じシステムを採用する個人投資家が少々増えても流動性には問題がなく、サイン通りに売買すればみんな同じ結果になる。

私が購入したシステムは、前日の225先物四本値と、ニューヨークダウの始値終値、CMEの日経225セツルメント(精算値)をエクセルファイルに入力すると、当日のサインが表示される仕組みだった。発注するのは寄付きと決まっているので、出るサインは「買い」、「売り」、「見送り」の3パターンに限られる。相場が荒れても基本は大引けまで放置だが、バージョンアップ版では、場中での利益確定や損切りを設定できるルールに進化していた。

寄り引けシステムはメリットも多いが、ロジックがブラックボックスになっているため、大きなドローダウンが発生した時の失望感は覚悟していたよりも大きかった。好調な月は利益が1000円(ラージ1枚で100万円)を超えることもあったが、逆に不調な月は損失が1000円を超えてしまう。なぜそのような結果になったのか、実践者側で検証できないのが辛い。寄り引けシステムとはそういうものだ、と割り切ることができず、結局、2年足らずで撤退を決断した。