225オプションで億トレーダー(仮)になる目論見書

オプションの投資手法を学んで、億トレーダー(仮)を目指そう!

システムトレードで勝率60%が実現できれば大儲け間違いなし

私が勝率60%という数字を頻繁に引用するのは、複利での運用を意識しているからである。投資家なら、「ケリー基準」あるいは「オプティマf値」という言葉を聞いたことがある人も少なくないだろう。オプティマf値とは、数学者ラルフ・ビンズがケリー基準と呼ばれる公式を改良して算出した「複利運用でもっとも収益性の高くなるリスク許容度」、つまり1回あたりのトレードで資産の何%までの損失を許容すると最大のリターンを得られるかという数字である。

オプティマf値が書籍などで紹介される際に、理論的勝率60%の賭けで毎回いくら賭けると利益を最大化できるか、という例題が出される。たとえば、箱の中に60個の白玉と40個の赤玉が入っていて、白玉を引けば賭け金が倍になって返ってくるというゲームに例えられる。そして「資産の20%」がその答えとなる。毎回リスクを資産の20%になるように賭けると、その賭けを100回行った時点で、資産は元金の約7.5倍になることが「数学的に」期待できる。

オプティマf値とは何かを一言で表現するなら、取るに値する最大のリスクということになろうか。オプティマf値以上のリスクを取っても、逆に期待されるリターンは減ってしまう。「リスクは利益の源泉」とよく言われるが、リスクをむやみに増やしても期待できるリターンが比例して増えるわけではない。リスクとリターンの関係がもっともバランスの取れた、いわば究極の「ハイリスク・ハイリターン」の値を示してくれるのがオプティマf値なのである。

オプティマf値通りにトレードすると、元金が2倍になる前に先に半分になってしまう確率が約1/3もあることから、いかにハイリスクかがわかる。確信が持てない売買ルールだと、資産が半分になった時点で、「この売買ルールの勝率は本当に60%なのだろうか」と不安になるだろう。しかし、理論的勝率が60%であれば、資産の20%を賭け続けることで最終的に大きなリターンを得られる可能性は高い。それほど、勝率60%というのは夢のような数字なのだ。