225オプションで億トレーダー(仮)になる目論見書

オプションの投資手法を学んで、億トレーダー(仮)を目指そう!

GW前にプットオプションを購入!ありきたりな手を指した理由とは

日本の株式市場は、今週末からいよいよ史上初の10連休に突入する。私は、連休前に日経225のプットオプションを購入することにした。10連休中に何か大きな材料が出て、連休明けに日経平均が暴落するかもしれない。プットを保険として買っておくというのは、ある意味、誰でも思いつくベタな手である。あえて私がありきたりな手を指すのには、それなりの理由があった。

■オプションの価格を決める大きな要素はボラティリティ

日経平均下落のヘッジとしてプットが有効なのは、日経平均が下落するとプットの価格が上昇するので、その利益によって損失の一部をカバーできるからである。オプションの理論価格は、ブラック・ショールズ方程式によって算出できるが、原資産(日経平均)価格のほか、残存期間、金利ボラティリティなど複数の要素が関係してくる。

この中で、オプションの価格に大きな影響を与えるのがボラティリティである。ボラティリティとは、目先の価格変動リスクの大きさを表すもので、一般的には株価の上昇局面では低下し、株価の急落局面で急上昇する。市場の不安感を示すバロメーターと捉えればいいだろう。

株価が急落すると、急上昇したボラティリティがプットの価格を押し上げる効果がある。逆に、日経平均が値上がりするリスクをヘッジするためにコールを買うのはあまり得策とはいえない。日経平均が上昇すれば一般的にはボラティリティは低下するため、日経平均の上昇の割にはコールの価格は上がりにくくなるからだ。

蛇足ながら、保有株のポジションを減らして日経平均の値上がりリスクをヘッジしたい場合は、たとえば証券コード1321のような日経平均に連動するETFを買うのが実践的ではないかと思う。

■日経VIは今後1ヶ月の予想変動率を示す

日経平均ボラティリティを示す指標としては、日本経済新聞社がリアルタイムで算出している日経VIがある。日経平均の将来1ヶ月間の変動の大きさを、標準偏差のように年率のパーセント単位で表示する。日経VIの過去のチャートを見ると、株価急落局面では数値は大きく跳ね上がるが、しばらくした後に20から30ポイントのレンジに回帰するという特徴がある。

日経VIが20ポイントということは、今後1ヶ月の変動率が年率20%、1日あたりに換算すると約1%と市場が予想しているという意味である。今日の日経平均が22200円だとすると、明日は21980円から22420円の範囲に収まる確率が約68%ということを示している。

日経VIのチャートを観察すると、興味深いことがわかる。日経VIが15ポイントを割り込むことはめったにない。長期チャートでは20~30ポイントのレンジに収まる期間が長いことから、日経VIが15~20ポイントのある間は、市場の不安感が和らいでいる=上昇しやすい局面であると判断できる。

■月末・月初なら残存期間も短いので安く買える

日経VIをトリガーにしたシステムトレードとしては、次の2つが思いつくだろう。日経VIが一定期間20ポイントを超えていた局面から20ポイントを割り込んだタイミングで、相場はリスクオンに切り替わったと判断して買いポジションを仕掛けること。もう一つは、日経VIが一定期間20ポイントを割り込んでいて、市場が安心感に支配されてプットが安く買えるタイミングでプットを仕込むことである。

オプションの期限(SQ日)は、毎月第二金曜日と決められている。月末になると、期限までに残存期間が短くなるので、オプションの価格も低下する。ボラティリティが低く、なおかつ残存期間が短くなる月末・月初にプットを仕込むのは合理的な戦術だと思われる。2018年のチャートで検証してみると、月末・月初に日経VIが明らかに20ポイントを割り込んでいたケースは6回あり、そのタイミングでプレミアムが100円前後(約定価格で10万円前後)のプットを買ってSQまで持ち越していたとすれば、勝率は高くないもののトータルではかなりの利益が得られたことがわかった。

昨日(4月24日)の日経VI終値は16.40ポイントだった。1週間前に比べると1ポイントほど上昇しているものの、節目の20ポイントを大きく割り込んでいる。今週末から10連休に入るため、SQ(5月10日)までの実質的な残存期間は短い。プットを仕込む好条件が揃っていると判定できる。もちろん、思惑通りにプットが上昇(日経平均が下落)するとは限らない。しかしながら、連休期間中の保有株値下がりリスクをヘッジしたいと考えていた私にとっては、二重の意味でプットを買ういい機会になったのである。