225オプションで億トレーダー(仮)になる目論見書

オプションの投資手法を学んで、億トレーダー(仮)を目指そう!

賢者は歴史に学ぶ、投資においても歴史や他人の経験から学ぶことは多い

金融情報を配信する海外メディアとしては、ロイターとブルームバーグが双璧だろう。4月1日に新元号が発表されてから、様々なメディアで平成を振り返る企画が実施されているが、ロイターも『特集・新時代「令和」日本の針路』というサイトを開設した。竹中平蔵武者陵司、佐々木融など各界の識者が、新しい時代に向けてのオピニオンやコラムを寄稿している。その中で、「歴史探偵」の異名を持つ作家・半藤一利のオピニオンが印象に残った。

幕末から昭和まで歴史を題材にした小説を書いてきた半藤は、日本の近現代は40年サイクルで転機が訪れるという持論を持っている。バブル崩壊が直近の転機だとすれば、次は2032年ということになる。平成はバブル崩壊で出だしからつまずき、国家は目標を、国民も基軸を失いつつあると指摘する。次の転機から滅びの40年にしないためにも、日本をどういう国にしたいのか、新しい世代の人たちは真剣に考えるべきだと警鐘を鳴らしている。

かなり前になるが、半藤の代表作である「ノモンハンの夏」を読んだ。愚かな指揮を執った参謀や司令官を容赦なく叩いているのが痛快だった。彼らに対して、そこまで辛辣な言葉を並べられるのは、緻密な取材力と確固たる信念のなせる業だろう。あとがきを読むと、戦後国会議員になった辻政信元陸軍大佐と議員会館で初対面した時に、いつかノモンハンを題材にした小説を書こうと思ったという。言うまでもなく、辻はノモンハン事件の主人公の一人だ。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は、ドイツ初代宰相ビスマルクの言葉として知られる。後半部分の原文を直訳すると、「私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む」となる。これを「賢者は歴史に学ぶ」と日本語に初めて訳した人のセンスは素晴らしい。歴史から学ぶという視点は、ビジネスや投資にも共通する。一見すると投資とは関係なさそうな歴史小説からも、多くのヒントを得られるのではないか。